おはなし③

    10月10日のおはなし

空を見ることが好きな僕は、今日も公園のベンチに座って空を見ていた。
しばらくすると空に浮かんだ雲が、何かの形になってきた。
大きく目を見開いて様子をみていると、どこかの島のようになってきて、
その真ん中で一瞬『キラッ』と何かが光った。
もしかしたら、宝の島かもしれないぞ。

ふと気が付くと、なんと僕は、その島の海岸に立っていた。
「よーし、宝さがしだ」
最初に釣り人に出会った。
「宝を探しにきたんですが」
すると釣り人は
「宝?そんなもの、あるのかなぁ。オレにしてみれば、ここでまぐろが釣れればお宝だ」
まぐろが宝?そんな宝だったらお先まっぐろ(真っ暗)だ。

まぐろではないことを祈りながら、島の中に入っていった。
トレーナーを着て、トートバッグを持った人に出会った。
「宝を探しにきたんですが」
するとその人は
「どんな宝?私はさっき、畑でピカピカの、みずみずしいトマトを見つけたわ。宝石のように綺麗だったけど・・・」
トマトが宝?トマトが宝だったらトマトう(戸惑う)なあ。

たぶんそれはない!と思いながら、その人と別れた。
しばらく行くと、犬を連れた人がやってくるのが見えた。
ハーネスをつけているから盲導犬のようだ。
「宝を探しにきたんですが」
すると盲導犬は「うん、におうにおう」と鼻をくんくんした。
「これは・・・お好み焼きと・・・おでんだな。」
すると盲導犬を連れた人が「この近くでお祭りをやっているようですよ」と教えたくれた。
よし、お祭り会場に行ってみれば、何かヒントがあるかもしれないぞ。

お祭り会場には、確かにお好み焼きやらおでんやらのいろいろな屋台があった。
よし、まずはここで腹ごしらえ。
おでんの屋台をのぞきこんで、ちくわ、はんぺん、大根…何を食べようか考えていた。
おっと!ちょっと待てよ。
もしこの中に宝が隠されていたら・・・
もしそれに気づかず食べてしまったら・・・
そんなことをしてしまったら、人生最大のおでん(汚点)だぞ。

幸い、おでんの中には宝はなかったようで、おいしくいただいた。
こうなったら、いろんな家にあたってみよう。
最初に見つけた家で「ごめんくださーい」と玄関をあけた。
家の中はからっぽで、どうやら空家のようだ。
勝手にお邪魔して、中をさがさせてもらった。

台所にぽつんと缶詰が残されていた。
これは・・・いや、これが宝のはずはない。
取り残された冷蔵庫。
中を開けてみると、冷凍室に麺が入っていた。
冷たい・・・凍っている・・・冷凍めんだ!
これはいったい?
そう思っていると、ふいに背筋が寒くなってきた。
はっと振り向くと、そこには幽霊が立っていた。
いや、浮かんでいた。
「そ~れ~は~ わ~た~し~の~ れいと~めんよ~~」

僕はびっくり驚いて、いちもくさんにその家から飛び出した。
まったくもう、冷(霊)!凍めん(当面)僕の前に出てくるな!
いや、一生その家に缶詰になっててくれ!
そう祈りながら走っていた。

ふぅ~こんなの精神衛生上よくないよ。
あんまり冷や汗をかいたので、お風呂に入りたくなった。
見つけた銭湯には露天風呂があって、眺めも最高、島全体が見渡せた。
のんびり景色を見ながら、のんびり湯船につかっていた。
とその時。
島の真ん中で何かが一瞬『キラッ』と光った。
toto見つけたぞ!

僕はいちもくさんにその場所へ駆けていった。
そこには、大きい石に守られるようにして、キラキラ光る貯金箱があった。
よし!これこそ宝だ!
やったー!僕は見つけたんだ!
・・・
大喜びしているところで目が覚めた。
どうやら公園のベンチで寝ていたようだ。

貯金(ちょきん)箱ん(ぱちん)すとん、これでお話はおしまい。

  10月10日は
     ・空を見る日
     ・目の愛護デー
     ・島の日
     ・釣りの日
     ・まぐろの日
     ・トレーナーの日
     ・トートバッグの日
     ・トマトの日
     ・アイメイト・デー(盲導犬協会)
     ・お好み焼きの日
     ・おでんの日
     ・缶詰の日
     ・冷凍めんの日
     ・世界メンタルヘルス・デー(世界精神衛生連盟)
     ・銭湯の日
     ・totoの日
     ・貯金箱の日
     ・早大守護神だった大石くんの誕生日(笑)